あなたの街にも?
環境と安全を破壊する不適正ヤード問題

2025.03.06
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知ってる?不適正ヤード問題

違法な自動車解体業者や、無許可のスクラップ置き場(ヤード)が問題視されているのを知っていますか?
法令に反して金属スクラップを保管・操業する「不適正ヤード」は、近年、全国各地で問題視されています。実は決して他人事ではなくなっているんです。

適正な許可を受けずに開設された不適正ヤードは、防音壁や汚水処理装置などの環境対策が不十分な場合も多くあります。このようなヤードでは、騒音や振動、油漏れによる土壌の汚染、悪臭などの環境問題、火災、事故などの安全面の問題だけでなく、実は犯罪の温床となる治安悪化リスクも大きな問題となっています。

なぜ不適正ヤードが増えているの?

不適正ヤードが増加した要因のひとつに、中国をはじめとする輸出先の規制が厳しくなったことがあります。
もともと日本のスクラップは中国へ大量に輸出されていたのですが、2020年に中国で廃棄物の輸入が全面的禁止となったことで大量のスクラップが行き場を失い、処理コストが高騰してしまったのです。このため安価に処理できる不適正ヤードが増加し、違法な廃棄物処理や輸出が横行する要因の一つとなったと考えられています。

(警察庁 金属盗対策に関する検討会報告書より転載)

また、太陽光発電設備などの銅線ケーブルやパネル、マンホールや側溝のふた(グレーチング)など、金属盗難が急増しているというニュースを耳にしたことがあるでしょう。銅の価格高騰などを受け、特にここ数年の盗難被害は急増しています。盗品が不適正ヤードへ持ち込まれ、違法に売却されているという事実も無視できません。
警察庁の報告書によると、2023年の盗難被害の半数以上が金属ケーブルなんです。被害総額は約132億8700万円にも上る現状を受け、「悪質な買取業者の存在が盗難を助長している」として、金属盗対策の法律制定も急がれています。

不適正ヤードってどこにあるの?

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不適正ヤードってどんなところにあるのでしょう。
山道の途中や河川敷などで山積みされたスクラップを見たことはありませんか?

工場や物流倉庫、港湾エリアだけでなく、人目に付きにくい山間部や耕作放棄地、工場の跡地、さらに住宅街の空き地など、様々な場所が利用されています。
工業地域や特定の産廃処理場には厳しいルールがありますが、住宅街など規制が明確でない場所に開設されるケースもあり、気が付いたら自宅の近所に不適正ヤードが出来ていたということも現実に起こっています。怖いですね。

最近では近隣住民の苦情が増えて自治体の監視も強化されてきたため、以前よりも設置が難しくなっているものの、まだ完全には防げていない状況です。

行政や自治体の対応は

実はこれまでヤード設置に対する規制はほとんどなかったのだそう。問題が起きてから対応する後手の仕組みだったんです。産業廃棄物処理施設の設置には許可が必要でしたが、基本的にヤードは「届出なしで設置できる状態」でした。

最近になって不適正ヤードの問題の解決に向けて、ヤード設置に関する許可制度と立地基準を設けるなどの条例を制定する自治体も増えてきたんです。
これらの自治体の取り組みを受け、2024年10月についに環境省が具体的な対応策についての協議を開始したため、今後は全国的な規制が期待されています。

適正なリサイクルの重要性

不適正ヤードによる問題の解決には、適正なリサイクルが大切。
法規制に則った適正な処理を行う適正リサイクル事業者には、ヤードの整備や専用装置の設置など設備投資や管理等、非常に大きなコストがかかります。

一方で、不適正ヤードは安全対策や環境対策などを行わずコストを落とすことにより、適正業者よりも高値でスクラップを買い取ることができるのです。
これは事業者だけの問題ではありません。

一般消費者であるみなさんも、家電や金属、古くなった車などを廃棄する際に、不正業者に依頼してしまうことがあります。
身近なリサイクル業者が不適正ヤードに廃品を持ち込んでいたり、無料回収や高額買取をうたう業者が回収した廃棄物をヤードに持ち込むこともあります。ひどい場合は、不法投棄されるケースも。

リサイクルや廃品回収を依頼する際は、自治体の推奨する業者を利用したり、許可証や登録証明書を確認するなど、トラブルやリスクを避けるために必ず適正事業者を利用しましょう。

不適正ヤードを減らすことは環境保護や汚染防止だけでなく、盗難や犯罪の減少につながり、地域社会の安全や安心へとつながっていきます。

ヤマコー株式会社の取り組み

ヤマコーでは金属くず業の届け出を行い、全営業マンが顔写真付きの「金属くず業届済証」を常に携帯、いつでも提示できるようにしています。

ヤマコーの「金属くず業届済証」

広島県での届け出については広島県警のHPで確認できますよ。
広島県警察「金属くず業について」

金属スクラップや自動車スクラップの適正なリサイクルを行う事業者として、法令に反した不適正な保管・操業を行うヤード業者から出荷された鉄スクラップの受け入れは一切行っていません

ヤマコーの所属する日本鉄リサイクル工業会や非鉄金属リサイクル全国連合会、さらには取引先である鉄鋼メーカー各社でも不適正ヤード由来の鉄スクラップ拒否が打ち出されるなど、業界全体を通して違法なリサイクルや不適正ヤードの撲滅を進め、より環境に優しく、安全で効率的なリサイクル社会を実現しようとしています。

ヤマコーはお客様に安心してスクラップの処理を任せていただけるよう、適正な対応を徹底しています。金属スクラップや自動車スクラップの処理は、ぜひわたしたちヤマコーに安心してお任せください。

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